乱れるな

論語の中で、孔子が旅の途中、強盗に襲われ身ぐるみ剥がされたという話がある。食糧もなく途方に暮れている弟子の側で、孔子は静かに琴を奏で始めたという。弟子達が「のんきに琴なんか奏でないでください!」と攻め寄ると、「誰でも窮地に立つことはある。だが乱れるな。乱れるのは小人物のすることだ」と答えたのそうだ。試練にあって「とんでもないことになった」と思うか、「成長のチャンス」ととらえるか、それがその人の人生の分かれ目なのだろう。
聖書の中にも同じような話がある。大荒れに荒れる嵐の中、船の上で右往左往する弟子達をよそに、イエス様は船の片隅ですやすやと眠っておられた。弟子達が、「なにのんきに寝ているのです!」と詰め寄ると、「信仰がないな。おまえ達は」と言って、静かに起き上がると嵐を静められた。ピンチのときにこそ、信じて固く立つべきなのだ!