ザアカイ

息子の高校でのザアカイの合唱は素晴らしかった。心が震えた。迫力が凄かった。

また、イエスに群がる群衆目線での展開、構成も秀逸だった。そのことによってこの物語の真意がくっきりと浮き彫りにされていた。

数日たつのにいまだに余韻が残る。

改めてザアカイの話を思い返している。ちいさい頃から何度も聞いてきた話ではあるが。。

ザアカイとは収税人の頭で、無慈悲で不正な取り立てをする金が全ての男。でも、心の奥底で愛に飢え渇き、空しさで押しつぶされそうで、誰か助けてくれと叫んでいたんだ。しかし、それを理解する人間はひとりもいなかったから、益々意固地になっていた。

そんな時、イエス様がエリコの街にやってきて、ザアカイに声をかけた。当時、イエス様は時の人だったから、周りには沢山の人だかりが出来ていたんだけど、その群衆の面前で、「今日、私はあなたの家に泊まるから!」と言ってくれたんだ。どんなにか驚いたことだろうね。時のスーパースターが見ず知らずの自分の家に泊まりたいと言うのだから。

しかし、それを見た人々は、戸惑い、そしてイエス様から離れていったんだ。「あの人は罪人の家に入っていった」と。。ついさっきまでイエス様、イエス様と笑顔を振りまき、褒め称えていたくせにね。でも、それはザアカイがそれだけ憎まれ、嫌われていたってことでもあるのだけど。。

(当時、ユダヤの国はローマの支配下にあって、取り立てられた税金はローマに納められていた。つまり、ユダヤ人からすればザアカイは売国奴そのもの。憎しみは相当なものだったと思われる。)

でも、ザアカイはこのことで一変する。イエス様を家に招いて、最大限のおもてなしをして、そして、イエス様の前でこう約束したんだ。

「ザアカイは立ち上がって、主に言った。『主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。』 」ルカによる福音書19章8節

金が全ての男だったはずなのにね。

僕はこの話、とても美しい話だと思うよ。

https://youtu.be/xg1Ui1ZIQY8