虚時間宇宙

ホーキングは徹底的な無神論者で
神なくしてこの世界を説明しようと試みた。
宇宙に始まりがないことを
証明できれば「神なき宇宙」を
説明できると考えた。
 彼は、宇宙の始まりを
量子的にとらえることで
それが説明できるとし、
その研究の過程で今までの科学を
覆すような発見や成果を上げている。
それに焦ったローマ教皇
ホーキングを呼び寄せ、
「ビックバンを探求してはならない」
と言ったとのことだが、
なんという浅はかなことを言ったものだろう。。
宇宙から始まりをなくすとは、
すなわち、特異点を消すということだ。
そして、彼はそれを
「虚時間宇宙」という考え方で
数学的に説明することに成功する。
但し、
それは「虚数の時間」なるものが
実在するのであればの話である。
すでに発表から何十年も経っているが
現在のところそのようなものは、
観測や実験で確かめられてはいない。
ホーキングは晩年になるほど、
神について語る言葉は
過激さを増したようだ。
しかし、ことあるごとに
彼の口から「神」という言葉が
でてくることから、
彼にとって「神」というものが
どうでもいいものではなかったことは確かだ。
寧ろ、彼の中に常に神が
存在していたようにも見えなくはない。
おそらくだが、
心の奥底では、「物理法則は誰かが
意志をもってデザインしたもの」と
信じたかったのかもしれない。
 
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