人間はどこまで知ることができるのか?

人間はどこまで知ることができるのか?

哲学上でも大きな問題であったが、
カントは、それを
「人間は実在そのものを認識することができない」
というところに認めた。

つまり、
人間は人間というフィルターを通してでしか
物を認識することしかできないというところに
人間の知ることの限界を認めた。

例えば、
リンゴを丸くて赤いと認識するのは
人間というフィルターを通して
見ているからに過ぎない。
仮に宇宙人がいたとして、
その宇宙人がそれを見たとしたら、
黒色に見えるかもしれないし
もしかしたらただの記号にしか
見えないのかもしれない。
つまり、実際のところのものは
分からないのである。

人間は「ものそのものを見ている」
と思っていたが
実際は「ものそのもの」を
認識していたわけではなかったのだ。

人間は尊い存在ではあるが
同時にその程度のものであることも
覚えておくべきだと思う。

そうでないと
すぐに人間は自分たちが
全てを知っているかのように思い上がり、
宇宙の創造主かのように
振る舞ってしまう。

人間が人間らしく
生きるためには
自分を越えた存在に
目を向ける必要を感じる。

(自戒を込めて)